国家間あるいは民族間の交流・接触において、言語がこの上なく重要な役割を担っていることは改めて指摘するまでもありません。この場合往々にして確立された文明圏から周辺へと影響が及ぶことが多く、個別の言語の質的変化を見てもその傾向がうかがえます。インド仏教や中華文明、ヨーロッパ文明の中国や日本を中心とする東アジアへの影響など、いずれも文化的な影響だけでなく言語にも計り知れないほど大きな影響を与えてきました。その意味でわれわれは、日本語及びそれをとりまく諸言語に絶えず注目し、将来どのような変化を遂げるかを展望していかなければなりません。
近年、人工知能の進化に伴い、OpenAIが開発したChatGPTのような大規模言語モデルが登場しました。このような技術の進歩により、言語と文化に対するアプローチが変化することが予想されます。ChatGPTは、言語処理や翻訳の分野で活躍することで、異文化間のコミュニケーションをより円滑にする役割を果たすことができます。また、ChatGPTは人工的に生成された言語情報を含むため、言語変化の予測や新しい言語の創出など、言語と文化の未来に関する洞察を提供する可能性があります。ChatGPTの登場は、言語や文化の進化に対する新たな視点を提供することで、これまで以上に異文化交流が進展する可能性を秘めています。
応用言語学博士在学 博士後期課程 在学
神戸市外国語大学